生國魂神社 権禰宜 中村文隆さんインタビュー
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生國魂神社 権禰宜 中村文隆さん
芸能上達の神社として知られる「生國魂神社(いくたまさん)」。
権禰宜の中村文隆さん(写真右)に境内を案内していただきながら「いくたまさん」の歴史をさかのぼってみたいと思います。
中村さんは京都の神社の息子さんとして生まれ、國學院大学を卒業され、現在はここ「いくたまさん」で権禰宜として様々な職務に携わっておられる方です。
〜上方文化の原点〜
元禄時代、神社の境内には所狭しと芝居や見世物小屋が並び、「諸芸発表の場」として大いに賑わい、ここから諸国へ様々な芸能が伝えられた上方文化の原点と言える場所です。
その中でひときわ人気を集めたのが上方落語のルーツと言われる米澤彦八。落語のことを「彦八」と呼んだ時代があったというからその人気は絶大なものだったそう。
その偉業を偲ぶ記念碑の完成を機に、上方落語協会所属の250名の落語家が勢ぞろいする「彦八まつり」が始まって今年で27年目。
お祭りを盛り上げる実行委員長は毎年交代で任命され、第1回の笑福亭仁鶴さん、第14回の笑福亭鶴瓶さん、第25回の桂文珍さんなど上方落語界の大御所がバトンを繋いできました。第27回となる今年は桂雀三郎さんが実行委員長をつとめられます。
落語をはじめ、470年前には能が奉納されていたという「いくたまさん」。
上方芸能の原点と言うべきその歴史を紐解くと、なんと2700年前までさかのぼることができるそう。
〜日本列島の神様〜
「いくたまさん」は初代天皇である神武天皇が日本列島の神様である「生島大神」と「足島大神」を祀られたのが起源と言われています。
この国の安泰を願って建てられた大阪最古の神社であり、日本書紀にも「生國魂社」と記される由緒ある神社なのです。
うえまちで暮らす人々にとっては「生國魂祭(いくたままつり)」などで親しみのある神社ですが、その歴史を知ると、大阪はもちろんこの国の成り立ちから人々を見守り続けてきた由緒ある神社であることを知りました。
都会の真ん中にあるにもかかわらず、鳥居をくぐると厳かな独特の空気に包まれます。この日は晴ればれとした夏空の下、蝉時雨と杜の緑が包み込むように迎えてくれました。
早起きが苦にならない方は毎朝5時30分の開門を待って、「いくたまさん」の特別な静けさに身を置いてみてはいかがでしょうか。
・大阪薪能 2017年8月11日(金・祝)、12日(土)
・彦八まつり 2017年9月2日(土)、3日(日)
=== 難波大社 生國魂神社(なにわのおおやしろ いくたまじんじゃ)===
大阪市天王寺区生玉町13-9 TEL: 06-6771-0002
地下鉄「谷町九丁目」から徒歩4分、近鉄「大阪上本町」から徒歩9分